2022.3.30

就活を通して感じた「趣味」と「仕事」の線引きとは

南山大学 インターン

三枝海斗


こんにちは、未来電子インターン生かつ23卒就活真っ只中の三枝海斗です。
僕は現在、「繊維商社に入って服づくりがしたい」という思いで就職活動を行っています。

「なぜ繊維商社に入りたいのか?」
その理由は簡単で、単純に服が好きで、自分の手で作れたらもっと良いものができるのではと思ったからです。
繊維商社は、大好きな服を企画から販売まで携われるので、僕にとっては「趣味」を「仕事」にできる、まさに理想的な職場。

ただ、よく働きに出ている大人はこんなことを言います。
「趣味」と「仕事」を一緒にするべきではないと。

まるで、子供の頃かっこいいからという理由だけで「将来は仮面ライダーになりたい」と思っていたような単純な理由ですが、実際にこれは良いと言えるのでしょうか。
今回の学びブログでは、「趣味」と「仕事」の線引きについて話していこうと思います。

そもそも仕事とは

まだ就職のことなんて考えもせず、漠然と「将来ああなれたらいいなあ」なんて子供の頃は思っていましたが、夢や憧れを追いかけるのはダメなことなのか。
先に言っておきますが、僕は「趣味」と「仕事」を一緒にしても良いと考えています。
しかし、世間一般的には、あまり良くないと考えられているのも事実です。

「趣味」とは、自分がたくさんお金をかけたくなるほど好きなものであり、それで楽しいと思えるものです。
しかし、「仕事」って逆にお金を払ってもらわなければいけないものですよね。
例えば、商品をお客様に買ってもらったり、給料を会社に支払ってもらったり、、、。

「仕事」をうまくやっていくためには、自分の好きなことばかりやっていてはいけないでしょう。
どんなに自分が良いものだと思っても、それが社会に受け入れられないことなんてザラにありますし、そんなものお金になりません。

「仕事」は他者の満足のためにあるものです。
その他者と共有し、目的を達成する、つまり認められて初めて自分が満足できるものでしょう。

ここで重要なのが、「仕事」に対して、どれだけ自分が妥協できるかだと思っています。

先述した通り、自分が好きなものばかり作っていたらお金になりません。
お金にするためには、他者に価値観を合わせることが必須だと言えるでしょう。
価値観を合わせるばかりに、自分の価値観を否定してものづくりをすることだってあるでしょうし、その度に我慢や妥協が必要になります。

「趣味」は、ただ自分の価値観のみで判断、評価するものです。
自己満足でしかない「趣味」と、他者のために行う「仕事」は全く別物だとわかりますよね。

なぜその「仕事」なのか

少し話が変わりますが、就活をしていく中で、かなり「仕事」を俯瞰的に見るようになりました。
言い方を変えれば、なぜその人はその「仕事」を選んだのかが、とても気になるようになったんです。

「仕事」を始める理由なんて、人それぞれですよね。
例えば、「単純にそれが好きでなりたかったから」や「特にやりたいわけではないが、お金がたくさん稼げると思ったから」、「将来性があって一生安定しそうだから」など。
当然、その人が何か考えた上で選んでるわけですから、僕がそれを否定するなんて言語道断、介入する余地なんてありません。

そして、色々な人の「仕事」を見ていく上で、ちょっと特殊な「仕事」の存在に気付きました。
それは、僕が大好きな「アイドル」です。

これまでは、あまりアイドルを「仕事」とは捉えていませんでしたが、もちろんアイドルもお金をもらって活動している以上、「仕事」だと言えるでしょう。
アイドルになった人たちは、先ほど挙げた仕事を選んだ理由のなかで言えば「単純にそれが好きでなりたかったから」が大半なのではないでしょうか。

「自分が大好きでたくさんの笑顔・幸せを与えてくれたアイドルになりたい!」
なんて素敵な理由なのでしょうか。

でも、自分が憧れを抱いていたアイドルになった途端、現実に絶望する人はたくさんいると思います。
大手企業のような大きなアイドルグループに入れれば、ある程度道は開かれていますが、中小企業のような地元・地下アイドルになる場合は安定とは程遠いでしょう。
また、大きなアイドルグループに入れたとしても、選抜争いだってあるかもしれません。

表立ってはキラキラした「仕事」ですが、その裏にはたくさんの努力が隠されています。
ファンにとっての理想を演じるだけでなく、体型維持のための食事制限・トレーニングや、ダンス・歌のレッスン、恋愛事情だって悟られてはダメです。

そして、自分が必死に努力したとしても、ファンの心を掴めるかはわかりません。
アイドルが「仕事」である以上、他者の価値観に合わせる必要があるからです。
結局は、自分を必死に取り繕って、自分が今まで好きだったアイドルのような、ファンにとっての「理想像」を作りあげる必要があるのです。

あ、大変失礼しました。
真面目にアイドルという「仕事」について話していましたが、このままだと一生書き続けてしまうので、この辺で終わっておきますね。
いつか、もっとアイドルについて書きたいと思っているので、その時は是非お付き合いください。

「趣味」と「仕事」は一緒にして良いのか

先に結論から話した通り、個人的には一緒にして良いと思っています。

しかし、「仕事」が他者を介入しなければ成り立たない以上、それはもう「趣味」の領域を超えた別のものです。
結局は、それを是とするか、自分がやっていけるかが重要なのです。
「仕事」をしていく上で、自分が好きだったものが嫌いになることだってあるでしょう。

「あなたには、楽しさが苦しさに変わっても続けていく覚悟がありますか?」
と、まだ就活中の学生風情が問いかけます。

僕がこれまで見てきたアイドル卒業生は、去り際にみんなこう言っています。
「アイドルになれてよかった」と。

人知れず汗や涙を流す日々もあったでしょうが、それでも「アイドルになれてよかった」と彼女たちは言います。
アイドルとは、ファンである僕たちをいつまでも騙し続けている存在ではありますが、この言葉に嘘偽りはないと思っています。

これまでの「与えられていた」立場から、今度は自分が「与える」立場へ。
コロナ禍で先も見えず不安ですが、就活生の皆さん、一緒に頑張りましょう。


この記事を書いた人

南山大学インターン

三枝海斗