2018.4.19

利己的コンテンツに「学び」はないのか

京都大学 インターン

斉藤 貴幸


4月から正式に社会人になりました、さいとうです。

この前から、「新卒ブログ頂上決戦三番勝負」なるものが開催されています。

前回は、僕も含めて5名が参戦し、PV数や社内アンケート結果を算出中の状態です。

その中でどうしても引っかかる点が2つほどありましたので、今回はそのことについて書くことにしました。

 

ひっかかる点

まず引っかかる点1つ目は、これです。

 

 

福本代表が作成したもので、勝手に使ったら怒られるかもしれませんが、使います。笑
これは三番勝負の第1戦の5つの記事が、四象限に切った時にどのポジションに位置するかを表したものですね。
軸は、「癖あり・癖なし」「利他コンテンツ・利己コンテンツ」の2つです。

今回の結果で言うとかなり偏りがあって、4名が左上の象限、1名が左下の象限になるそうです。
そして僕の前回の記事(「一貫性がない」と指摘する面接官の7割は政治家である)は、左上の象限に入るとのことです。

 

このポジショニングマップの中の「利己・利他」の部分に引っかかるところがございまして、入社早々、社長に意見する形になってしまいそうですが、頑張って書いていきたいと思います!

 

そして2点目は、社内アンケートの回答内容です。

アンケートはどんなかんじだったかと言うと、直感的に誰のブログが良かったか1人選んでもらって、任意で選んだ理由を書いてもらうというものでした。

その中で特に目を引いたもの。

「東妻の記事は良かった。他の記事には、読者に学びを与えるという視点が無さすぎる」

この文章です。

匿名アンケートだったので誰のものかわかりませんが、引き合いに出してしまってごめんなさい笑
アンケート内容を取り出してくるのは、少し反則気味なように思いますが、社会人マナーがまだまだわかっていない新卒社員ということでご容赦ください!

 

このご指摘の中の、「学び」という部分にも引っかかりを覚えたので、解消しておきたいなと考えています。

 

2つ引っかかる点を言いましたが、キーワードを拾っておくと、「利己コンテンツ」「学び」の2つが挙がります。

 

導入部分が長くなりましたが今回のテーマは、

利己的コンテンツに「学び」はないのか

になります!

 

意味わからないですね。笑
深夜に書いているという言い訳だけしておきます。

今回は、「利己コンテンツ」「学び」のキーワードについてもう少し説明してから、僕の中での引っかかりを解消したいと思います!

利己コンテンツ・利他コンテンツって?

まず利己コンテンツと利他コンテンツって、何なんでしょうか?

言葉のニュアンスで判断すると、「誰を満足するために書いた記事なのか」という基準で分けられているんじゃないかと思います。

 

利己コンテンツは、自分の私生活を記したブログや、Twitterの投稿のように、「自分を」満足させるためのブログというイメージ。

そして利他コンテンツは、一般のwebメディアにあるような、読者の課題を解決することを意識して書かれた記事、つまり「読者を」満足させるためのブログというイメージでしょうか?

その上で、先ほど紹介したポジショニングマップを見てみると、1人だけ利己コンテンツと判定されている人がいます。

 

でも、ちょっと待ってください!

僕らは、未来電子の自社サイトに投稿する前提でブログを書いているわけで、もちろん読者の人に満足してほしいと思って文章を書いています。
これは、前回参戦した5名全員が同じ気持ちのハズ。

そしてもっと大事な前提として、ポジショニングマップというものは、それを作った「誰か」が存在しているわけです。
ということは、「利己・利他」「癖あり・癖なし」の軸を決めたのも、その「誰か」です。
今回の場合は、代表です。

これに惑わされてはいけない。

そう強く感じました。

本当にこの軸で4象限に切ってしまっていいのか。
批判的に見た方が良さそうです。

 

今回で言うと、おそらく全員「読者を」満足させるためにブログを書いていますので、全部「利他コンテンツ」です

全部「利他コンテンツ」なんだから、利己・利他という切り方はおかしい。
軸の見直しが必須だと思いました。

「学び」って?

それでは次に「学び」って、何なんでしょうか?

ブログを読み終わった人の気持ちや行動、知識の量が、読む前と変化していること。

パッと思いつく「学び」は、こんなかんじでしょうか。
まあ、これは確かに学びですよね。

でも「学び」の定義が、あまりにもハウツーにより過ぎている!(と思う。。。)

これが僕の中での引っかかりです。

 

つまり、「学び」といえば「○○の時は、○○をした方が良い」というようなハウツー (?)、というようなイメージに寄りがちになっている!(と思う。。。)

「学び」にも色々あります!
新しい知識を得ることができたり、自分の思考が整理される意外にも。

そう思っています。

利己的コンテンツに「学び」はないのか

少し話が散らばってしまったので、掃除していきます。

まず、みんな読者を満足させたいと思って書いてるんだから、「利己・利他」の切り方はオカシイ!とさっき言いました。

じゃあ、どうやって軸を切ればいいのか。

それを考えるに当たって、少し自慢話をさせてください。

 

かなり前に、「就活市場で最強の京大理系院生が、研究室に就活を縛られるという残酷な真実」というブログを書きました。
実はこちらのブログ、「研究室 就活」という検索キーワードで、検索順位1位と2位を行ったり来たりしていて、今では自動的に毎月1000PVの流入を生んでいるコンテンツです。

ブログの内容としては、理系院生は教授の圧力がかかって自由に就活できない、みたいなことを愚痴っぽく書いているものになります。

本来、「 研究室 就活」ってgoogleで調べる人は、「研究室に所属しながら、就活も両立するにはどうしたらいいんだろ、、、」みたいなことを考えて検索してきてると思います。
事実、僕のブログと1位の座を争っている記事は、「どうやったら研究室の拘束を振り切って就活ができるか」という内容です。
つまり、読者の課題をきちんと解決している記事です。

ただ僕のブログを読んでいただいた方はわかると思うのですが、このブログの中では、何も読者の課題を解決していません笑
ただ単に愚痴を言って、最終的には社会に対する愚痴は吐いて、このブログは終了しています。

つまり、学びゼロ。笑

研究室生活のことは、文系の学生の方から見ると、「へ〜こんな世界もあるんだ〜」という学びがあるかもしれませんが、理系院生からすれば、「ごくごく普通の日常」をだらだらと書いているだけです。

 

でもこのブログは検索順位1位。

検索する人は「研究室の拘束を振り切る方法」を求めている、つまり「課題解決」を求めてきてるはずなのに。
まったく読者の課題を解決していない僕の記事が、検索順位1位。

なぜそんなことが起こるのか。
もうほとんどの方がわかっていると思います。

検索する人は、表面上は「どうやったら研究室と就活を両立できるか」という課題解決を求めているのですが、もっと深くまでインサイトを探ってみると、ただ単に「他にも同じように苦しんでいる人はいないか」と、自分と同じ状況に置かれている仲間を探しているんだと思います。

一番簡単な言葉で言うと、「共感」。
そして、共感から生まれる「安心感」。
といったところでしょうか。

「○○という時は、●●という行動を起こした方が良い」というような「ハウツー系」の内容じゃなくても、今回のような「共感系」の内容でも読者を満足させることができるということです。

つまり、ポジショニングマップを修正するとしたら、これでしょう!
異論は認めます!

 

利己的コンテンツに「学び」はないのか

の回答に関しては、

そもそも利己的コンテンツという表現がおかしくて、ハウツー系と共感系に分けるべきで、その両方に違った種類の学びは存在している

ということになります。

最後に残った大問題

長くなってしまったのでそろそろ終わろうかと思いましたが、最後に大問題が残っているのでもう少し書きます。

 

大問題とは、そもそもなぜ福本代表は、利己的・利他的と切ってしまったのかということです。
というよりは、なぜ一つのブログを利己的と判断してしまったのか、の方がいいかもしれません。

答えはシンプルで、共感系のブログはハウツー系に比べて、ライティングの難易度が格段に高いということだと考えています。

 

ハウツー系のブログは、課題の解決策がしっかりしていれば、少々ライティング能力に難があっても満足してもらえる可能性があります。

一方で共感系のブログは、読者の頭の中で情景がしっかりと思い浮かぶぐらいまで、しっかり読者に寄り添って、読者の思考ペースに合わせて、文章を選んでいく必要があります。

それくらい共感系コンテンツは難しいので、気を抜いて書いていると「利己的コンテンツ」と判断されてしまうわけです。

 

ブログを書くときは、内容がハウツー系なのか共感系なのかを考えて、共感系に寄っていればいるほど、読者の頭のスピードに合わせながらライティングをしないといけない。
「利己的コンテンツ」という烙印を押されてしまわないために。

みなさんも今後ブログコンテンツを書くことがあれば、ぜひその辺を意識してみてください。

 

 

究極の利己的コンテンツになってしまったことをお詫び申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

〜追伸〜

三番勝負を共に戦っている東妻の記事を確認しました。

完全に僕の記事の上位互換になっています。笑

もしよかったら読んでみてください。

サバンナの設計図(著・コピーライター東妻)


この記事を書いた人

京都大学インターン

斉藤 貴幸