2020.12.11

インターンを辞める理由 動機の外在性について

大阪府立大学 インターン

坂本周人


こんにちは、大阪府立大学4回生の坂本周人です。
今月(12月)は、ディレクターという役職を任せてもらっています。
入社7ヶ月目、年越し前、卒論が終わりそうにない。
なんとなくタイミングだなと思って、今月いっぱいでこのインターンを辞めることにしました。

動機が形成されるとは?

社員として働いていると、こんなに簡単には辞められないのだろうなと思います。

C.Wミルズが提唱した動機の語彙(vocabularies of motive)論をごぞんじの方はおられますか。
これは、動機の外在性についてC.Wミルズが展開した論考です。

動機の外在性、つまり動機は自己の内にないということです。
よく考えれば当たり前のことかもしれませんね。
綺麗にできた動機というものは、自分についてあまり多くを語っていないのではないでしょうか。

自分(他者)の周りの出来事をどんどんつなぎ合わせていくと、どこかで自分(他者)が何かのアクションを起こすための動機が形成されます。
一度動機が形成されると、それは自分(他者)に対しても説得的になります。

社員として働いていると、辞める動機が簡単には形成されないのだと勝手に想像しています。

その点ぼくはインターン生です。
ぼくの場合、周りを取り巻くいろいろな物事をつなぎ合わせていくと、なんとなくインターンを辞める理由が浮かび上がってきました。
状況が違えば、また違った動機が形成されていたはずです。

C.Wミルズはまた次のようにも言っています。
「現実に用いられている動機は、その行為を明確に状況へと結びつけ、ある人の行為と他者の行為とを統合し……規範にもとづいて、その行為を整合化する。」

円満な形でインターンを辞めるには、規範にもとづいてその行為を整合化する必要があります。
インターンを辞めることを伝えるときにここまで考えていたわけではありませんが、翌々考えてみてばこういうことをしていたのだろうと思います。

動機は、他者がいて初めて機能します。
いかにきれいな動機を形成するか、これは何かのアクションを起こす(が起きる)上でかなり重要なポイントだと思います。
そういう意味では、物事を上手に結びつける力が大切なのかもしれません。

就職活動の志望動機も同じこと

ぼくは就職活動をしていたので、志望動機についていろいろと考えました。
志望動機を考える上でも、やはり結びつける力が重要になると思います。
自分のやりたいことや希望を述べるだけでは、動機として不十分な気がします。
今一度C.Wミルズの言葉を引用すると、「動機を選択する際の巧拙が、その行為主体の命運を左右する」のです。

まとめ

C.Wミルズのユニークな視点と語り口は、さまざまなヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
モチベーションや動機(motive)は外の何かとつながっているというわけです。
そのつながりを見つけ出し、噛み砕いて、自分の語彙(vocaabularies)としてしまえば、あとはそれを使う勇気だけです。
動機の語彙は「ある人の行為と他者の行為とを統合し」、良くも悪くもある方向性を持った状況にのみこんでいきます。
いや、気づいたらいつの間にかのみこまれていることがほとんどです。

動機の語彙論は、1つの考え方です。
インターンを検討している方、就職活動をしている方は、いろいろな人と関わって、いろいろな状況にのみこまれてみるのも良いかもしれません。
そして、いつのまにやら動機が形成されていく様を目撃してください。

書きながら思ったこと

動機の語彙論を恋愛術に活用できればいいのに。


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大阪府立大学インターン

坂本周人