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メタ認知能力の鍛え方。メタり方、教えます。


さて、いよいよメタり方を身につけていきましょう。
メタ認知能力を手に入れようと思ったら、意識するだけではむずかしく、習慣にすることが求められます。「よし、自分を客観的に見たろ!」とイキナリ意気込んでもできません。筋トレのように、鍛えながら徐々に身につけていくものです。メタ認知は「自分から視点をハズし、高い次元から自分を見る」ことなので、ここではステップを3つに分けて鍛えていきます。

 

  1. 自分以外の視点で考え、視点を自分からハズす。
  2. 「個人」ではなく「全体」の視点で考える。
  3. 社会を「知り」、GPSをチューニングする。

 

ステップ1は比較的簡単にできるので、日常生活に取り入れながら鍛えていくのが望ましいでしょう。ステップ2は、所属している組織の中で考えるので、少し制約はあります。まずはステップ1からスタートし、ステップ2も織り交ぜていくとよいでしょう。ステップ3は基本的に調べたり覚えたりのインプットなので、ちょっとみんなやりたくないかもしれないですね笑

 

さて、いきましょう。

 

 

ステップ1:視点転換トレーニング

ステップ1は、視点転換トレーニングです。とにかく最初の問題は、「視点がずっとあなたの場所に固定されていること」ですから、まずは視点をハズす癖付けをしていきます。
いろんな視点を探す、という観点で見たとき、1番すごいなと思うのは広告代理店の方々です。同じモノでも、ありとあらゆる視点からモノを捉え、狙いすました人にしっかり刺さる言葉や表現を選び抜いています。そのため一番効果的なのは、「広告ウォッチング」じゃないかと思っています。広告はそこらじゅうに溢れていて、見るのもウザい、と思っているとは思うのですが、ステキな広告は視点が優れていることが多いのです。せっかくいっぱい世の中やネット上には広告が転がってるので、トレーニング材料に使ってしまいます。トレーニングは、以下のステップを踏みます。

 

  1. いいな、ステキだなと思う広告を見つける。
  2. その広告は、「誰に」向けたものなのか考える。
  3. その「誰か」にとって、なぜこの広告はステキなのか考える。

 

これを日常に取り込んでいきます。考えたことをメモできれば望ましいですが、考えるだけでも十分トレーニングになります。自分がなんとなく好き、で終わらせないことが重要です。視点が自分で留まる人は「自分が好きか、嫌いか」で判断してしまうので、その心性は消していかないといけない。誰に向いたもの?その誰かにとってこれはなんでいいの?その理由が理解できれば、視点が1つ増えている証拠です。誰かの視点からの、「なんかいいな」を見つけていくことを習慣としていきます。
また、広告が嫌だ、という人は漫画や映画、あるいは本や記事でも構いません。こういった表現物は、必ず誰かに向いていて、その誰かを惹きつける理由が必ずあります。同じように、誰が、なぜ好きになるのかを考える癖を持つことができれば、自分の視点からハズれる癖が付いていきます。

 

 

ステップ2:組織視点トレーニング

このステップでのトレーニングは、「特定の組織に所属していること」が必要です。個人から、組織に視点を上げるトレーニングです。「経営者目線でモノを考えろ」というセリフ、よく聞きませんか?これは、要するに「1番高い視点から、組織を俯瞰して考えなさい」ということです。まったく同じですね。視点をハズす癖をつけながら、同時に「高める」癖をつけることも必要です。

 

組織に所属しているとき、組織の中で「求められていることは何か?」を考えます。求められていることとは、「課題が残っていること」です。組織として成り立っているとはいえ、課題がないなんてありえません。まとめ役がいないとか、人数が足りていないとか、人間関係が上手くいっていないとか。いろいろあるはずです。課題は、ニーズです。解決を誰もが望み、しかし誰も解決できないでいる組織の「痛み」です。これをまずは把握します。
課題を把握したら、その組織に残る課題に対して、「自分は何ができるのか」を考えます。自分だけで解決する必要なんてありません。まず課題にみんなが気が付いていないなら、課題を認知してもらうことでも1つの役割は果たせますし、自分だけでできないならチームを組んだり、できる人に頼めばいい。役割は果たせています。今の自分の能力の範囲内で、組織に残る課題を解決に一歩でも近づけることはできないか?と考えることをしてみてほしいのです。これこそ、根本的にあなたへ「組織が求めること」であり、「組織視点で嬉しいこと」なのですから。「あなたがやりたいこと」、以上に、「組織がしてほしいこと」を見つける癖をつけてください。それに自分がやりたいことが一致していればなおよし。しかし、1番大事なことは組織の視点から求められていることを見つけるトレーニングを積むことであり、その解決に1歩でも近づける方法を考えることです。これはトレーニングでもあり、評価を得る行動でもあります。これを続けていれば組織にとってあなたは必要な人材になりますし、その癖がついていればどんな組織も求める市場価値の高い人材へと進化を遂げるでしょう。

 

ステップ3:『時代感』トレーニング

最後は、「時代感」を掴むトレーニングです。トレーニングといっても、本とかニュースとかを読んだりするだけです。時代は、刻一刻と変化します。知っているつもりでも、知ることを怠った途端に時代とアタマが乖離し、GPSが狂っていきます。社会の視点は、いまどんなカンジなのか。常に情報をアップデートしなくてはいけません。基本的には流行りの本やwebサイトを、1日の中で見る時間を確保するだけで問題ありません。しかし、ただ読み流すだけではすぐにアタマから消えてしまいます。目的を忘れないように。「いま、社会の視点、考え方や興味はどんなカンジになってる?」これをアップデートするために読んでいます。媒体としてはなんでもいいのですが、個人的にはNewspicksやYahoo! JAPAN、あるいは新聞がいいかな、と思っています。

 

Newspicksは博識な方々がいろんなニュースに対して考えを述べてくださるので、時代の最先端の考え方が結構わかる気がします。また、有料になれば特集を見ることができ、特集は時代感の強いトピックを専門家の方のインタビューなどを交えて時代感を強く作っています。現代は情報にお金を投資することが最も投資対効果が大きいと思っています。あまり情報にお金を惜しむことはオススメできません。

 

Yahoo! JAPANは、あらゆるニュースのハブ的存在になっています。様々なニュースサイトが、Yahoo! JAPANに取り上げられることを目指しているくらいです。ニュースの時代感を強く反映しているサイトであると言えます。マスメディアの要素もあるため、Newspicksのように時代の最先端を見るというよりも、一般的で、大衆的な時代感を見られる、という印象。

 

いまさら新聞?と思うかもしれませんが、やはりニュースとしての老舗であり、一次情報を集めてくる能力やノウハウは群を抜いていると思います。どうしてもネットの情報は二次情報なので、どこかで誰かのフィルターにかかり、バイアスがかかっている可能性は否定できません。やはり情報として最も追うべきは一次情報であり、そういう情報を提供するための存在である新聞には、時代感を身につける上ではまだまだ役に立つ媒体であることは間違いありません。いまは電子版もありますし、紙でなくても構いませんが。

 

ここに挙げたのはあくまで参考例にすぎないので、どこから情報を集めてきても問題ありません。大事なことは、時代は目まぐるしく変わるということ。それを常に追いかけていかないと、GPSが狂い、現在地がわからなくなること。変化に、対応できなくなってしまうこと。これを避けるために、時代感を身につけることは、現代において必須と言えるのです。

 

 

鍛え方がわかったら。

さて、説明は以上です。もちろん、これを読んだだけでは何も変わっていません。実践、あるのみです。このトレーニングでメタ認知能力を身につければ、あなたは時代の変化にいつでも対応できる、現代で誰もが求める人材になることができます。ゆっくりで構いません。毎日少しずつ、ゆったりと鍛えていってください。これからの時代を生き抜き、活躍し続けるために、メタっていきましょう。

 

 

p.s.大学生のみなさんへ。

大学生のみなさんは、なかなか社会との交わる機会に恵まれず、現在地を見失いがちです。社会の時代感や組織視点は、どうしても企業などの現場の方が圧倒的に身につけやすいのも事実。そこでみなさんがいつでも、自由に社会へと出られるよう、仕組みを作っておきました。すでにいろんな学生が、知識やスキル、人間性、そしてメタ認知能力を身につけるために社会の現場へと飛び出しています。

あなたも社会を体感し、自分のGPSを修正しながら、インターンでも就活でも飛び抜けて成長できる人材になっていってください。応援しています。

 

 

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