2019.11.30

井の中の蛙、大海を知れるのか

京都大学 インターン

高田咲


まずは自己紹介

 

11月京都の人事アシスタントをやりきった、京都大学修士1回生の高田咲です!

周りには咲姉さんとか、さきぽんとか、色々呼ばれてます。

前回は長期インターンについて書きましたが、今回は最近ふと思った哲学について書きたいと思います!

 

「井の中の蛙、大海を知らず」

 

これは荘子の言葉ですが、聞いたことある人は多いと思います。

小さなカエルくんは今いる環境が全てだと思っていました。

しかしそれはただの井戸の中であって、井戸の外に全く違う世界があることを知らなかったということわざです。

ではこのカエルくんが大海に出るにはどうすればいいのでしょうか。

まずは「今いる場所は井戸の壁なんじゃないか?」と疑ってみる必要がありますよね。

疑ってみて初めて、井戸の壁を出口の方向に進むことが出来ます。

ぴょんぴょん、と井戸の入口に来たカエルくん、次は何をしないといけないでしょうか。

海に飛び込まないといけません。

外の液体が塩酸だったら、液体の中に怪物がいたら、カエルくんには外に広がる海が何か分かりません。

そんな不安を振り切って、カエルくんは海に飛び込みました。

 

「井の中の蛙、大海に出る」

 

カエルくんが海に出たら何を思うでしょう?

私は、自分の見てきた世界とあまりに違っていて、はじめカエルくんはすごく戸惑うのではないかな、と思います。

そして大海という世界を知るための手がかりを探すのではないでしょうか。

そしてある程度大海の世界について分かってきたら、自分が生きていくための生活圏を確保するでしょう。

わかめの生い茂る場所で天敵から隠れつつ、同じ両生類の友達が出来て楽しく暮らします。

新しい環境で楽しく暮らしていたカエルくんですが、あることに気が付きます。

「今って井戸の中と変わらない?」

今の新しい生活が快適で、そこでの暮らしに腰を落ち着けている自分に気が付きます。

井戸の中以外の世界があることには気が付きましたが、今いる場所が大海の全てだと思い込んでしまっていたのです。

 

「井の中の蛙、大海は無限と感じる」

 

大海と一言で言いますが、大海は無限ではないかと思います。

海と言っても太平洋、大西洋、インド洋があるし、潮の流れや魚、生えている植物など同じ環境は一つもありません。

カエルくんは大海の一部を知りますが、それはあくまで”一部”であって、まだまだ世界は広いなということを感じました。

 

カエルくんの話を長々としてしまいましたが、私たち人間にも同じことが言えるのではないでしょうか。

今いる組織とは全く違う組織に入ってみて、違う世界を知る。

でもその組織が全てではなく、またほかの世界が広がっている、みたいな話です。

もちろん今いる組織で色々なことに挑戦して成長していくのはすごくいいことだと思います!

ただ、その組織以外の世界がたくさんある、ということを知っているのと知らないのとでは今後の行動の幅に差が出てくるのかな、と思います。

 

実は続きがある!?日本で生まれた続きとは。

 

荘子の言葉はこれで終わっていますが、続きが実は日本で生まれています。

それは以下の言葉です。

「されど空の深さを知る。」

つまり、その分野のことには精通できる、という意味らしいです。

これの続きを聞いて、なるほど確かに!と思いました。

何かを極めることで見えてくる世界もあると思うからです。

 

「深さを知る」も良いけど、もっと良い続きがある。

 

ただ、私はまだ若いので、こう思います。

「井の中の蛙、空の深さを知りつつも、大海の広さを知るべし」

大学院生として研究について深く知っていく必要がありますが、24時間365日研究室にいてはそこだけの世界。

研究室を飛び出して、未来電子に来てみていろんな事を知ったし、いろんな価値観に触れられました。

人生を水槽に例えます。

横軸が知っている世界、縦軸が一つの世界の深さ、左下が原点です。

世界が広いほど横が大きくなって、深さが深いほど縦が長くなります。

縦と横のバランスが良ければ、綺麗な水槽になると思います。

私はこの綺麗な水槽のようなバランスで世界の幅と深さを広げていきたいと思っています。

これが正解だ、というつもりは全くありません。

ただ、「井の中の蛙大海を知らず」という一つのことわざでここまで考えられるのは、荘子さんすごいな、という感じです。(笑)

みなさんもぜひ、一つの言葉で色々考えてみてくださいね。


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京都大学インターン

高田咲