2018.4.26

社会に必要な力はオタクが教えてくれた

立命館大学 インターン

貝原 匠


先行きの見えない時代。

「自分はどうやって将来を過ごしていくんだろう…」

こんなことを思っている人も少なくないはず。

そんな人達に対して自分が示す答えはただ1つ。

 

オタクになれ!!

 

 

行動力

 

オタクは自分のために行動できる。

 

この証拠を示すために、コミケを例に出そう。

世界最大の同人誌即売会コミックマーケット、通称コミケ。

夏と冬の年2回行われて、開かれるのは3日間。

そこに集うオタクは50万人を超える。

 

「そんなに人が集まるんだから、きっと凄いものがあるんだろうなぁ」

 

残念。

そこで販売されているもの大半は、一般人が作った数十ページの本。

俗に呼ばれる、同人誌と呼ばれるもの。

勿論、2次元コンテンツに精通している企業も出店している。

しかし、それはほんの少し。

50万人のオタクは関わりのほとんどない一般人が作った本を買うために、コミケに集うのだ。

 

「別に本を買うだけでしょ?」と侮ることなかれ。

コミケで一番大変なのは、販売場に入るまでの待機時間。

開場されるまでは外で待つしかない。

夏は蒸し暑い上に大量の人。

冬は極寒の環境。

同人誌を買うために、何時間もただただ耐える。

 

あなたはそこまでして本を買いたいと思うだろうか?

そんな人はほとんどいないろう。

 

けれども、オタクはそこまでして買う。

 

その理由も非常に単純。

「その本が欲しいから。」

これだけ。

それでもで50万人ものオタクが動くのだ。

 

正直、考えられないという人もいるだろう。

それで結構。

理解してもらおうなんて微塵も思ってない。

 

ただ、自分の想いに対して素直に動ける人間は強い。

人は行動するときに何かしらの理由をつけたがる。

「こうすれば利益が生まれる」

「こうすれば誰かが喜ぶ」

 

オタクとして生きてきた人間は、そういう理由を探さずに動ける。

「自分がやりたいからやる」

少しでもこの気持ちが沸き上がれば、行動できる習慣が身についているのだ。

 

他の人よりも早く行動できれば、その分多くのメリットを得られる。

そのこともオタクは様々なイベントを通じて知っている。

 

これほど行動することの大切さを教えてくれる趣味はない。

 

 

金の使い方を知っている

 

オタクは金を使って、価値を高める習慣が身に着いている。

 

自分の界隈で盛り上がった話がある。

あるアニメに登場したヒロインの等身大フィギュアが販売される。

そのお値段、200万円。

 

「いや、買うやつおらんやろ…」

さすがにこれは自分でも思った。

しかし、売り出されたら、一気に買い手がついた。

オタク怖ぇ…

 

これも先ほどの例同様、単純な理由だろう。

「自分が欲しいと思ったから」

それだけで200万を算出できるのだから恐ろしい話だ。

 

他の人からしたら無駄な出費に思えるかもしれない。

けれども、この話から伝えたいことは、「オタクは自分で経済を生み出している」という事だ。

 

確かに、オタクは訳のわからないものにお金を使う。

しかし、その行為には存分に価値があるのだ。

そのコンテンツに金を投じることで、コンテンツが活性化し、より満足できる商品がオタクに与えられる。

こうすることで、経済は回り、市場は活性化する。

その結果、オタクは価値あるコンテンツに触れる機会が増えるのだ。

勿論、そうなれば自身の価値も高まっていく。

これを無自覚で行っているのだから、オタクというのは恐ろしい。

 

「これが社会でどう生かせるんだよ…」

その答えは自分の価値を高める行動ができるという事だ。

無料コンテンツで満足せず、本を買ったり、有料記事を購入したりして、自分が行動できる範囲を広げていく。

200万もの大金をぽんっと出せるということは、仕事ができるという裏付けにもなるだろう。

金を「手段」として、正しく使えるオタクが、公私ともに充実した人生を過ごしていくのだ。

 

 

自らコンテンツを生み出せる

 

オタクは自らコンテンツを生み出す。

 

コミケの際に紹介したように、オタクという趣味は、視聴者ではなく、製作者になることがある。

 

「友達とサークルを作って、コミケよりも規模の小さい即売会でゲームを販売。

そしたら、そのゲームが大ヒットし、何万個も売り上げた」という記録もある。

現在、その会社は有限会社となっているが、日本の2次元コンテンツを語るには欠かせない存在となっているのだ。

このような話はゲームに限らず、漫画やフィギュアのジャンルなどにもある。

 

彼らがそのような行動をする動機は、今までと少し違う。

欲しい作品がないなぁ…。じゃあ、自分で作るか!!」

いやいや、そんなわけないやろ。

いやいやいや、そんなことがあるんです。

 

勿論、最初は質の高い作品は作れない。

しかし、ファンを少しずつ増やしていって、その人達から経済を回してもらい、少しずつ作品の質を高めていく。

その結果、誰からも評価される作品が完成する。

もはやオタクは何でもできるといっても過言ではないだろう。

 

このような「ないものを自分で埋めようとする」考え方は社会でも必要だ。

手元にないからと言って何もしなければ、現状は改善されず、時間だけが過ぎていく。

少しでも行動すれば、手に入れられる知識、情報が増える。

場合によっては、失敗することもあるだろう。

しかし、それでめげるほどオタクは弱くない。

好きなキャラとの別れに比べれば、なんてことはないのだ。

 

根性強く、現状改善に向けて行動できる人物。

こんな魅力的な人をわざわざ見逃す理由は見つからないはずだ。

 

 

まとめ

 

行動し、経済を回し、コンテンツを生み出す。

オタクは社会に必要な力を全て備えている。

 

「オタク」という言葉に、悪いイメージを持たれていた時代もあった。

「オタク」というだけで、偏見を持たれることも少なくはなったが、無くなったわけではない。

 

しかし!!

もうそれも過去の話!!

プライベートは勿論、仕事でも充実できる趣味に、もう恥じらいを持つことはない!!

これからもオタクとして、最高の人生を歩んでいこう!!


この記事を書いた人

立命館大学インターン

貝原 匠