2017.11.1

就活市場で最強の京大理系院生が、研究室に就活を縛られるという残酷な真実


 

みなさんこんにちは。未来電子でインターンとして働いている、斉藤です。

 

僕は、京都大学大学院修士2回生、、、、、のハズだったんですが、実は先日大学院を中退しまして、今はフリーターです。運良く内定先の会社の方にはご理解いただけまして、来年4月からはその会社で働きます。

 

さて大学院もやめたことですし、タイトル通り、僕が大学で研究活動を行いながら就活をしていた時の話をしようかなと思います。

 

とはいえ、先に内容について言っておくと、忙しい研究室生活の中でどうやって就活を成功させるのか、といったような就活攻略法みたいなものをお話するつもりはまったくありません!

 

これからお話するのは、教授に怒られている時の僕の心の中での葛藤、簡単に言えば「文句」です。そういったものでもよろしければ、是非とも読んでいただけると嬉しいです。

 

 

◆京大院生は就活市場で最強?

 

僕が就活を意識し始めたのは、大学4回生のころからです。

おっそ!

ってなるかもしれませんが、大学院に進学する人の中では結構早い方なんです。

 

4回生になって研究室に配属されてからは、割とまじめに抗がん剤の研究をしてました。ただ、うちの学科でも2割ぐらいの人は就活をしてて、その話を聞いてるとちょっとずつ興味が出てくるわけです。

 

ということで、4回生の3月に某ITベンチャーの1dayインターンに行ってみました!

 

時期的には、かなりおかしいですよね。要するに、来月大学を卒業するってゆう4回生が、3回生に混じって短期インターンに参加してるわけですから。周りの3回生に変な目で見られながらも、はじめてグループディスカッションなるものをやらされました。これがまた楽しかったんですよ!はじめての割には、結構活躍できて、目立ってたと思います。笑

 

そこで、まわりの3回生に言われました。

「やっぱりすごいな~、大学院に行く人は!」

「ん?」

「だって、京大院生って就活してたら最強らしいですよ!」

「(最強。。。。?)」

 

そう言われて改めて感じました。京大院生は、就活市場で「最強」だと。

関西でトップ、しかも院生。たしかに、最強。

 

4回生で参加した短期インターンはこれだけでしたが、僕の胸には、すでに信じられないほど大きな期待感が生まれてしまっていました。

 

修士1回生になったら、サマーインターンに参加しまくって、活躍しまくって、ベンチャーに早期内定しまくって。。。

修士2回生になったら、大手受けまくって、面接通りまくって、内定とりまくって。。。

 

そんなことを考えていたら、いつのまにか僕の4回生が終わりを迎え、とうとう僕は就活市場で最強の京大院生の仲間入りを果たしました。

 

◆突きつけられた現実

 

修士1年生になると、朝8時から夕方6時までは研究室で実験、それ以降は友達と飲みに行ったりしながら、たまにグループディスカッションなり面接なりのセミナーに参加して、サマーインターンに備えていました。正直結構忙しかったけど、充実してました。

 

その時に考えていたプランとしては、6月ぐらいまでセミナーに参加して、7月8月9月で1週間のサマーインターンに4つぐらい行きたいなって思ってました。

 

そんな中、6月ぐらいに大学院の方の実験に失敗して、教授から1時間ほどお叱りを受ける機会がありました。ここから僕の戦いが始まりました。以下、教授と僕の会話です。

 

 

こんなんじゃ修士卒業できないですよ。もしかしてインターンとかで研究室あけるなんてことないですよね?

 

「いや、ちょっとだけインターン行きたいなって。。。」

 

 

どれくらいですか?

 

「…2週間ぐらいです。(ほんとは、1ヶ月ぐらい)」

 

 

2週間?論外です。

 

 

ここから、教授の弾丸トークが始まります。(僕は一言も発していません)

 

そもそもね、就活で研究室あけるなんて言語両断ですよ。だって普通に考えたら、実験まじめにやってたら、就職先なんて勝手に決まりますよ。

 

教授には、このタイプの人が一定数いるんですよ。つまり、自分がずっと大学にいたから、就活の厳しさがわかってないタイプの人が。いくら、就活市場で最強の京大院生だからといって、インターン行って企業選びはちゃんとしたいですよ。

 

 

昔はね、みんな実験まじめにやってたから、研究室の推薦とかで何もしないでも就職先決まるんですよ。

 

これはほんとに、ただの昔話。笑

たしかに昔は、教授が企業とのコネを持ってたから、推薦で行けたんでしょうけど、今は違う。コネで行ける会社ってかなり少なくなってきてます。実際うちの研究質はコネなかったです。

 

ここで、大学院生が一度は考えたことがあるであろう言い訳が、頭によぎります。

授業料払ってるの、こっちやで。

これが、大学院生にとって最強の言葉の武器でしょう。

 

文系の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、大学院生は、お金を払って無償の労働力を提供しているのです。つまり、授業料こっちが払ってるんやから、別に就活は普通にやらせてくれよと。しかし、僕の反抗的な雰囲気を感じ取ったのか、教授は続けます。

 

 

でもこんなこと言うとね、最近の学生はすぐに、授業料払ってるのは自分たちなんだから、就活ぐらい自由にやらせてくれ、って言い出すんですよ。

 

そうです、その通りです。

 

 

でもね、それだったら、自分の授業料分の研究費で実験してみろって話なんですよ。

 

この意見に僕は言い返す言葉がなくなりました。

 

この教授の言葉は、わかりにくいという方も多いと思うので解説しておきます。

 

僕たちは、実験を行うための試薬や機械を購入する必要があるんですが、これがかなり高額なんですね。万単位のお金がポンポン必要になります。もちろん、大学側にもそれほどのお金があるわけではないので、どうするかというと、国民の税金の一部を頂いて研究費として使わせていただいているんです。

 

つまり、僕たちは自分たちの研究成果を、国民の人たちに還元する責任があるということです。

 

だから、「授業料払ってるのは、こっちだ」って言い訳するんだったら、国民の税金使わずに、自分の払ってる授業料の範囲内で実験してみろという訳です。

 

うん、正しい。至極マットウ。マットウ過ぎて反論の余地が無い。

 

自分の中での言い訳を、完全に論破され、打ちひしがれていた僕に教授は弾丸トークを続けます。

 

 

まず大学院生ってゆうのは、基本的には全員大学院で勉強したいという強い思いを持って入学してくるもんだと、私は考えています。それだったら、就活就活って言わずに真剣に実験してくれって感じですよ。

 

一度は敗北を覚悟した僕ですが、教授がポロッと発してしまったこの言葉に、かすかな勝機を感じました。

 

「授業料払ってるのは、こっちだ」という論点で議論するのは、こちらにとって得策ではない。そう判断した僕は、このかすかな勝機に運命をゆだねることにしました。

 

 

◆新たな希望

 

僕が注目したのは、「大学院には、強い志を持った人が入学してくる」という言葉です。

 

これは完全に、時代と乖離した考え方です。

 

今の時代、強い志を持って入学してくる人は、肌感ですが半分もいないのではないでしょうか。残りの人は、企業の研究職に就くために、院卒という資格が必要になるため進学する、というようなモチベーションです。だから、「大学院には志が高い人が行く」という主張は、ナンセンスな訳です。

 

「いや、そもそもそんなやつ大学院いくなよ」

世間からはそんな声が聞こえてきそうです。でも実は、そうとも言えない現状があるんです。

 

現在の大学の制度では、教授や准教授の立場になると、自分で手を動かして実験する時間は極端に減るか、もしくはまったく自分で実験する時間がない人がほとんどです。そこで、大学院生が教授の手となり足となり、実際に手を動かす作業を行うのです。

 

この状況で、僕のような就活ガチ勢の労働力が抜けてしまうと、たちまち日本の研究活動が衰退し、世界の国々からどんどん取り残されてしまうのです。(ちょっと大げさかもしれません。)そんな現状にも関わらず、大学院生は修士2年生の春から就活をしなくちゃいけない。

 

そうなんです。悪いのは世間です。研究と就活を両立させなければならない、この国の制度が悪いのです。

 

なんて、ゆとり世代を代表するような主張をするつもりはありませんが。笑

 

結局僕が言いたいのは、時代の流れに合わせて、研究室も変わるべきなんじゃないかってことです。昔よりも、大学院に進学している人のモチベーションはそれほど高くない(もちろん、高い人もたくさんいます)。

 

一方で、モチベーションの低い人を全員切ってたら、日本の大学の研究が回らなくなるってゆう僕の持論も、あながち間違っていないのではないかと思います。

 

だから、時代に合わせて、ある程度就活に対して寛容になっていかないと、大学側も後々苦しくなってくるのではないでしょうか?僕は、そんなふうに考えています。

 

◆その後

 

まあこの後も、教授の弾丸トークが30分ぐらい続いた訳ですが、僕の方からは何も発言していません。要するに、ここに書いたことは全部自分が頭で考えているだけで、実際にはただ教授のお叱りを黙って聞いていただけです。情けないけど、仕方ない。

だって、反論するの怖いから。笑

 

 

結局、短期インターンは、土日の2dayインターンに1社(土日なら文句は言われない)と、5dayインターンに1社(お盆休みを返上することを条件に)参加しました。教授の顔色をうかがいながら、なんとか許可をもらいました。

 

就活本番は、さすがに教授も、研究室を休むことを許してくれました。とはいえ、そのぶん土日も実験してましたが。内定先は、まさかのトランプメーカーで、人生なにが起きるかわかりません。笑

 

ここまで、散々教授のことを、大悪党のように表現してきましたが、実は僕自身はけっこう教授が好きでした。

 

僕が伝えたかったことは、「就活の時期、大学院卒業後にしてくれませんか?」それが無理ならせめて、「大学院の先生方、もっと自由に就活させてもらえませんか?」ってことです。つまり、「修士2年生でしっかり就活してね、でも実験も頑張ってね」ってゆう中途半端な現状、どうにかなりませんか?ってことです。

 

大学院側と学生側、双方のためにも、就活制度がどんどん変わっていってほしいな、と思っています。

 

 

◆もしよろしければ

 

長々と文章を書いてしまいましたが、最後まで読んでいただいたみなさま、ありがとうございました!

実は他にも、僕が以前に書いた記事がありますので、もしよろしければ、そちらも読んでみてください!

特に、理系の方が就活を始める前や、大学院に進学を決める前なんかに、読んでいただきたい記事です!

 

理系院生に異業種のインターンシップをおすすめする理由


この記事を書いた人

京都大学

斉藤 貴幸