2017.5.26

長期インターンで広告に携わってわかったことまとめてみた

京都大学 インターン

定光 達斗


こんにちは、未来電子テクノロジーでインターンをしている京都大学大学院2回生の定光です。

大学生のみなさんの中で、広告業界を志望している人って多いんじゃないかなと思います。

広告業界のイメージでいうと「クリエイティブな仕事ができる」「寝る間も惜しんで働く必要がある」など、ポジティブなものもネガティブなものもたくさんあるかと思います。

でもやっぱり働いてみないと分からないことって多いし、実際に私も働いてみてわかったことがいっぱいありました。

 

現在、私は未来電子のソーシャルメディアマーケティングを担当させていただいているのですが、今回は、そんな広告業界に関連する仕事をしている私なりの観点から、広告業界のインターンについてお話させていただきたいと思います。

1.最近の広告業界事情

多様な職種に溢れ、様々なキャリア選択ができるようになった昨今においても、学生の間で依然として人気な業界の一つが広告業界です。

電通や博報堂を始めした花形企業には、今でも学生からの応募が殺到すると言います。

 

しかし、最近、この広告業界に大きな変化が起きています。

昔は、新聞の紙面、テレビ、CMなどのオフラインに限定されていた広告が、インターネットの発達に伴って、動画サイト広告、SNS広告、リスティング広告と、非常に多様化してきています。

 

特に、ここ数年間は広告業界のテクノロジーの進化は、アドテクノロジーと呼ばれ、メーカーをはじめとする様々企業から注目を集めており、もちろん広告業界もこのような変化の波に対応する必要があります。

では、広告業界の行っている仕事とは、実際にはどういったものなのでしょうか?

 

2.広告業界の仕事って?

ITがまだ今ほど発達しておらず、広告の大半がオフラインに限定されていた時代は、広告の仕事は大きく分けて、「広告代理」と「広告制作」の二つに分かれていました。

「広告代理」とは、テレビ局の○日の×時からの広告枠をテレビ局に変わって、広告主に販売する仲介作業のことを指します。一方、「広告制作」はその名の通り、広告の製作に関わる仕事です。

消費者に対して、魅力的に映る情報をできるだけ、限られた広告枠に詰め込み、いかに自社の商品が優れているかをアピールすることが重要視されていました。

 

しかし、この広告業界の仕事も、ITの普及、広告の多様化に伴って変化してきています。

今や、若者のみならず、中高年やお年寄りまで、スマートフォンを使いこなし、簡単にインターネットを利用できる時代になりました。

もちろん、広告業界でも、インターネットは注目され、ネット上には、リスティングやバーナーといった多様な広告が出稿されています。

では、なぜ今になって、広告業界のテクノロジーが注目され、アドテクノロジーと呼ばれるまでになっているのでしょうか?

 

3.アドテクノロジーの発達

これまで、主な広告媒体として利用されてきたテレビ・紙面と、インターネット上の広告では、決定的に異なることがあります。

例えば、CMや雑誌で自社の新商品の広告を出稿したとします。

この場合、広告がどれだけ消費者の購買行動に寄与しているかは、視聴率や広告出稿後の売り上げ変化で測るのが適切でしょう。

 

しかし、冷静になって考えてみてください。

視聴率や売上の変化というのは、単なる結果であって、広告自体が消費者の購買行動にどこまで影響を与えているかはわからないはずです。

たとえ、CMを打った後に、その商品の売り上げが上がったとしても、もしかしたら、それは季節的に考えれば当然かもしれませんし、また別の要因が大きく影響している可能性もあります。

実際のところ、広告が消費者の購買行動を促進しているかどうかは、測定することはできません。

これは、電車のポスターでも、雑誌や新聞の広告枠でも同様です。

 

さらに、売り上げや問い合わせ数しか広告の効果を測定するものがなかったため、広告の結果も、出稿の一カ月後くらいにならないとわからない状況でした。

これは、当たり前のように感じるかもしれないですが、広告主にとっては非常に都合の悪い状況です。

仮に、一カ月契約でCMを打ってしまっては、CMが終わって、新商品の売り上げ推移を見ない限り、その広告の良し悪し(ここでの広告の良し悪しとは、売り上げに貢献しているかどうか)はわからないのですから。

広告がほとんど意味のないものだとわかった時点で、時すでに遅し、です。広告費が戻ってくることはありません。

 

アドテクノロジーは、このような広告を出稿してから、効果測定までの問題の一部を解決してくれるものでした。

リアルの世界とは異なり、インターネット上ではユーザーの行動はすべて追跡することができます。

例えば、あなたが今日、化粧品のECサイトを訪れた後、いくつかの化粧品のまとめサイトで、商品に対するいくつかの評価サイトを見た後、再びECサイトに戻り、購入決定ボタンを押すし、購入に至るまでが、全てネット上に情報として蓄積されていきます。

 

このようなユーザー、一人一人のデータを利用したのがアドテクノロジーです。

アドテクノロジーを用いれば、自分が出稿したネット広告を見たユーザーがどんな経路をたどって、購入にいたるか、あるいはどの段階で購入フローから離脱するのかを逐一、データとしてモニタリングすることができます。

リアルタイムで広告効果を測定し、最低限の広告費で、広告効果を最適化できるようになったことで、これまで広告出稿に対して、二の足を踏んでいたような中小企業やベンチャー企業も積極的に、インターネット上で広告を出稿するようになりました。

 

4.私が広告インターンを通して学んだこと

話を広告インターンに戻しましょう。

私は、ここ未来電子テクノロジーで主に、SNS広告、リスティング広告に携わらせていただいています。

 

具体的には、実際にFacebookやGoogle上に広告を出稿し、ユーザーのリアクションをデータから読み取ることで、広告を最適化していくという仕事です。

 

その中で一つ、広告業界の仕事に関して気づいたことがあります。

広告は、昔のイメージからクリエイティブな仕事であると考えられていますが、実は広告の良し悪しは、どれだけ創造性の高いものを生み出すか、どれだけユニークなものを作るかではなく、どれだけ徹底的なユーザー視点を持てるかということです。

これだけ、情報があふれてしまっている社会では、ユーザーは広告の意図に対して非常に敏感になっています。

単に、「とにかく売りたい!」「商品の魅力を伝えたい!」と意気込んで広告を出稿しても、ユーザー側には刺さりません。「ユーザー側が本当に必要としているものはなんなのか」「何がユーザーのためになるのか」を考え詰めた広告のみがユーザーを購買行動へ掻き立てることができると感じています。

 

先ほど紹介したように、今の広告は失敗しても、それがすぐにデータとして返ってくるので、すぐに修正することができます。

アドネットワークにおいての最大の失敗は、質の低い広告を出稿してしまうことではありません。

ユーザー視点を持たずに、自己満足な広告を出稿し続け、それを修正しないことが本当の失敗です。

 

まとめ

今後は、ますますユーザーの視点に寄り添った広告が求められる時代になってきます。

これは、広告業界でのみ必要になるわけではありません。

企業として社会に価値を提供する以上、ユーザー視点は多かれ少なかれ必要になってくる考え方だと思います。

そういう意味で広告業界でインターンすることは、その人にとって非常にメリットになると思います。

「クリエイティブな仕事」、ではなく「徹底的なユーザー視点を持った広告」に興味がある方は、ぜひ一緒に働きましょう。

 

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